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「コロナ 戦争 フェイク 災害  私たちは立ち向かっているか」をメインテーマに
第64回全国大会、盛岡市で開催


マスコミ倫理懇談会全国協議会は9月29、30の両日、第64回全国大会を盛岡市の「ホテルメトロポリタン盛岡 NEW WING」において「コロナ 戦争 フェイク 災害  私たちは立ち向かっているか」をメインテーマに開催した。94社・団体からリアルで192、オンラインで125人が参加した。
1日目は林恭一・代表理事のあいさつ、東根千万億・岩手日報社代表取締役社長・主筆の地元社代表あいさつに続き、渡邉英徳・東京大学大学院情報学環教授の基調講演「災害・戦災の記憶を未来につなぐデジタルアーカイブ」(写真左)を聞き、午後に報道6、広告1の計7分科会で討議した。
報道関連の分科会では、東日本大震災、原発事故、被疑者被害者の実名(写真中)、新型コロナに関する報道を多角的に検証したほか、ネット関連問題、ジェンダー平等に向けた取り組みについて意見交換した。広告関連では「勇気が湧く広告とは」をテーマに、メディアへの信頼や期待を確保していくための姿勢や対応策を検討。
2日目は午前中に全体会議を行い、座長による分科会報告(写真右)と全体討議の後、「今回の大会を通じて一層の自律的な活動基盤の重要性と取材・報道の意義について確認するとともに、あらためて社会に広く説明して少しでも理解してもらうことが緊急の課題であることを自覚した」との大会申し合わせを採択(別掲)。
2019年2月の発足以来、ネット空間を取り巻く問題点などについて検討を深めてきた「ネット空間における倫理研究会」の成果と今後の活動について報告した。
2日目の午後は自由参加の視察を実施した。日帰りコースは、八幡平市安比高原に開校した「ハロウ安比校」を見学。1泊コースは、東日本大震災被災地の釜石市や陸前高田市を視察した。
来年の65回大会は9月21(木)、22(金)日に宮崎市で開催予定。

第64回マスコミ倫理懇談会全国大会申し合わせ

発生から11年半を数えてもなお、未曽有の大震災はいまだ癒えぬ多くの爪痕を残し震度6強の地震が続く。激甚化する気象災害、引き続き社会を覆うコロナ禍。深まる分断と格差。さらに2月24日のロシアの侵攻に端を発した「ウクライナ戦争」で核戦争が現実味を帯び、歴史的な転機に立たされている。私たちメディアは、透徹した意思と複眼的な取材により、事件・事故・事象の背景やさらなる展開の提示を試みてきた。しかし、誰もが情報を発信し拡散できるネット時代はさらに多様化と複雑化を呈し、フェイクニュースも衰えることなく、民主主義を揺さぶり続ける。
今大会では、「コロナ 戦争 フェイク 災害 私たちは立ち向かっているか」をメインテーマに、東日本大震災後11年の報道で見えた課題と次への備えや原発事故をどう伝え続けるのかについて教訓を踏まえて対話を重ねた。また、引き続き実名報道の意義、新型コロナ報道について検証したほか、メディア企業のネットへの向き合い方、さらにジェンダー平等に向けて考えるべき視点のほか、「『勇気』が湧く広告とは」をテーマに意見を交換し課題を共有した。
コロナ禍のため全国大会を開けなかったこの3年間、メディアに対する批判の広がりと期待の高まりを感じた。今回の大会を通じて一層の自律的な活動基盤の重要性と取材・報道の意義について確認するとともに、あらためて社会に広く説明して少しでも理解してもらうことが緊急の課題であることを自覚した。私たちメディアは、マスコミ倫理の一層の向上に努め、読者・視聴者の期待と信頼に応えることを申し合わせる。 2022年9月30日

今後の予定

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